プリセプティのいいところを見つけて伸ばす
私のプリセプティのお話を少ししますね。
私の病棟には7人の新人が配属されました。
プリセプターはすべて私の同期で3年目ナース。
どんな子が自分のプリセプティになるのか、期待と不安を抱きながらいよいよ初対面です。
第一印象は、「小柄で色が白くて小動物みたいな子」でした。
オリエンテーションの中で少し話をしてみると、積極的でやる気もあり、質問もよくするしメモもきちんと取る。自分から積極的に話をするのが苦手な私にとっては、プリセプティの方から割と話しかけてくれるのでやりやすかったです。
しかし、問題はここからでした・・・。
1週間ほど関わってみて思ったことは、「なんか変わってる子だなあ・・・。」ということ。
具体的にどう変わっているのかと聞かれても説明できないのですが、他の新人さんよりも浮いているというか。
積極性はあるもののそれが空回りしていたり、なぜそうなった?というようなことが多々あったり、自分のプリセプティが何を考えているのか全く分からずどう接していけばいいのかわかりませんでした。
他のプリセプターの同期も、上司も、「ちょっと大変かもね・・」と言うくらい^^;
しかし、仕事以外で時間を作りプリセプティとじっくり話をしたところ、プリセプティの想いを聴くことができたんですね。
実は、まだ環境に馴染めていないこと、今の自分の未熟さで患者さんを看護していいのか、これからこの職場で続けているのか、という不安を抱えていました。
私が見ている限りでは、不安よりもむしろ自信と期待の方が強い子なのかなと思っていたので意外でしたし、やっぱり新人さんの抱きやすい悩みだなあと。
それからは「変わってる子」という概念が無くなり、その子の「個性」として関われるようになりました。
技術指導をやりながら、時折面談をして不安や悩みを聞き、褒めたり励ましたり。
もともと持っている積極性とやる気を維持できるように、そのいい部分を伸ばせるように関わりました。
すると、半年くらいしてから急に成長し、周囲からの評価もとてもよくなったんです。
もともと持っていた積極性とやる気が後半に来て発揮されだしたんですね。
新人を終える頃には周りのサポートも積極的にできるようになり、プリセプティの中で一番問題だと思われていた子が、最後には一番生き生きと仕事をしていました。
プリセプティにもそれぞれ個別性があります。
おとなしい子、要領が悪い子、積極的な子、消極的な子・・・。
成長しない、言ったことも覚えていない、出した課題をやってこない、そんなプリセプティにイライラすることもあるかもしれません。
しかし、あなたと同じようにプリセプティにも長所と短所があります。
どうしても短所にばかり目が行ってしまいがちですが、まずは、プリセプティの長所に目を向けてあげてください。
患者さんの話をよく聴く、必ずメモを取ってノートにまとめてくる、挨拶はきちんとできる、など、必ず何かあるはずです。
そして、そこを大切に伸ばしてあげられるよう関わってほしいと思います。
早く仕事を覚え、一人前に手技ができるように指導することも大切ですが、プリセプティが自信を持ちながら仕事ができるように、これからも看護師として働いていきたいと思えるように、後輩を「育てる」ことも大切ですよ